珈琲の味は生豆の持つ品質次第で大部分が決まるため、
良い生豆を選ぶことは重要なポイントです。
珈琲豆はアラビカ種のティピカ、ブルボン等を選択し、
栽培地の標高が高く品質の高いグレードのものを珈琲専門商社を通じて
仕入れています。また継続して使用できる信頼性や品質安定度の高いもの、
香味の特徴がはっきりと表れた様々な生産国のものを定番商品としています。
珈琲の味は生豆を焙煎(ロースト)することにより、
珈琲らしい香りや味わいが生成されます。
この過程なく生豆だけでは珈琲らしい味にはなりません。
焙煎とは、生豆に熱を加えて糖+アミノ酸のメイラード反応や、
糖のカラメル化などの化学変化を意図的に発生させ、
それによる香りや味わい(酸味、コク、苦味)を生成させるものです。
焙煎機は生豆を焙煎する機械のことで、
焙煎機の性能によって、生豆に熱を伝えることや、
熱分解物の排出の仕方が大きく変わってきます。
性能の良い焙煎機と適切な熱管理や排気管理により
良い香味が生成されますので、良い焙煎機を選ぶことは
重要なポイントになります。
当店はオランダ製ギーセン焙煎機を使用しています。
この焙煎機は適切な撹拌調整や排気調整を行うことが出来、
蓄熱性、断熱性が高くて均一な熱伝導による
ムラの少ない焙煎を行える高性能な焙煎機です。
この焙煎機と焙煎人の熟練した熱管理、排気管理により
高品質な珈琲豆が作られています。
抽出とは、お湯と珈琲粉を接触させ珈琲粉に含まれる
成分をお湯の中に溶け込ませ、珈琲溶液にすることです。
当店は次のものを使用しています。
・抽出直前に珈琲豆を粉砕(粉砕したままでは香りが飛びやすい)
・グラインダーにスイス製dittingを使用(鋭いカット刃で粉に湯が通りやすい)
・水は軟水(硬水はミネラル成分と珈琲成分が結合し、ざらついた感じになる)
・ドリップポットはホーロー(ステンレスなどは金属味が出やすい)
・ペーパーフィルターはアバカ繊維混合のもの
(通常のものより通液性良くすっきりしている)
・三洋産業製磁器ドリッパー(保温性良く陶器製より酸味の質が良い)
これらを使用することで珈琲の持つ良い香味を引き出すようにしています。
当店は大倉陶園のブルーローズというカップを使用しています。
「セーブルのブルー、大倉のホワイト」とよばれるほど、
大倉陶園のは色の白さ、磁器質の硬さ、肌の滑らかさが特徴的なものです。
ブルーローズは大倉陶園独自の「岡染め」という技法が用いられています。
その技法とは、
本焼した白生地の上に油で溶いたコバルト質の絵の具でバラを描き、
再度1400度を超える高温の本焼窯で焼成され、
これによりコバルトの青い色は釉の中に沈み込み、
柔らかく深みのあるバラが浮かび上がるものです。
このカップと珈琲との組み合わせにより、
珈琲の持つ香味をしっかり受け渡してくれ、
至福のひとときを味わえるものとなっています。
当店が考える珈琲を飲んだ時の良い香味とは次のことです。
・嫌な苦みが後に残らないこと
・嫌なえぐみが後に残らないこと
・嫌な酸味が残らないこと(金属的な、舌を刺すような)
・飲んだ後がすっきりとしていること(甘さが残る)
・焦げた香りがしないこと
・液体は赤みを含む褐色で濁りがないこと
・液体の表面には泡が消えにくく艶があること
・しっかり余韻を感じる香り、フレーバーがあり明瞭であること
良い香味の珈琲はミルク、砂糖を入れなくても珈琲のおいしさが良くわかります。
店名の「K-ship」とは
K-shipマスターの名前のイニシャル(K)と、
時代の荒波にも負けない船(ship)をつなぎ合わせたものです。
どのような荒波の中でもしっかり舵取りをして姿勢を保ち、
常に正しい方向に進められる強い船であり続けたいと願いが込められています。